ここでご紹介する筆坂秀世氏(1948年、兵庫県生まれ)は、18歳で日本共産党に入党後、25歳で党の専従活動家となり、国会議員秘書を経て参議院議員に当選(2期)。その後、日本共産党で書記局長代行、常任幹部委員、政策委員長などを歴任後、2005年に離党した、元共産党ナンバー3の人物です。
筆坂氏の著書『日本共産党と中韓』(ワニブックス)を中心に、元共産党ナンバー3の証言を通して日本共産党の本質をお確かめください。
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所詮はユートピア思想と「革命ごっこ」
「共産党の幹部として活動していく中で、共産主義は所詮ユートピア(どこにもない理想郷)思想に過ぎないことを思い知った。ソビエト連邦や中国、カンボジア、北朝鮮を例に挙げるまでもなく、現実の共産・社会主義体制は、人類解放どころか、専制主義的一党独裁の人類抑圧社会でしかなかったのである」
「『真正』の共産主義であれ、『ニセ』の共産主義であれ、所詮は『革命ごっこ』のようなものでしかなかったと、今しみじみ思う」
「戦前の日本共産党は、ソ連共産党が指導するコミンテルン(共産主義インターナショナル)の日本支部であった。戦前の党の綱領的文書は、このコミンテルンで作成されたものであり、……戦争を内乱に転化し、共産革命を成功させることが最終目標だったということである」
「(日本共産党は)『破防法による監視はけしからん』と言うけれど、何で破防法ができたかだ。共産党がこういうこと(暴力革命路線)をやったからできた。だから、破防法を作らせたのは共産党なんだ」
「結局、日本共産党が言っていることは、ひとことで言えば、『日本はとんでもなく悪い国だった。今もそれを反省しない悪い国だ』ということに尽きる」
自衛隊、憲法改正について
「当時(1946年)、吉田首相が自衛戦争すら放棄するという立場を表明していたこともあるが、平和主義を空文と呼び、国の独立にとって自衛戦争の容認と、それを裏付ける軍事力は必要だということを公然と表明していたのが、かつての共産党なのである。おそらく若い党員は、こういう歴史すら知らないであろう」
「昭和48年(1973年)11月に行われた第12回党大会では、『民主連合政府綱領案』が採択される。ここでの方針は、自衛隊は憲法違反の軍隊なので解散させ、その上で憲法改正を提案し、『最小限の自衛措置をとる』としていた。合憲の軍隊を持つということである」
「だから、いま護憲派で9条守れと志位さんは言うんだが、それは本来の共産党の立場とは違うんだ。本来の共産党の立場は憲法9条改正論であり、自前の軍隊を持つ。そして、非同盟の立場を取る。どこの軍事同盟にも属さないというものだ」
「(日本共産党が)あれだけ立憲主義、立憲主義と言いながら、自衛隊をなくすとは言わない。なぜかといったら、それは簡単だ。そんなこと言ったら、選挙で大負けするからだ」
脱原発について
「日本共産党は、東日本大震災による東京電力福島第一原発の過酷な事故以来、脱原発を掲げているが、戦後一貫した立場は、原子力の利用であったことも忘れてはならない。それをまるで終始一貫脱原発であったかのように主張するのは、国民を欺くものである」
選挙について
「いったい、日本共産党の公約でどれほどのことが実現したというのだろうか。ほとんど実現したためしがない」
「共産党に入れて、いくらか議席を増やしたところで何かが実現するわけでは絶対にない。5人が10人になったところで、政治はそんなに変わらない。それなのに、何でかというと、まともな野党がないからだ。結局は引き算だ」
「近年、共産党が『躍進』していると言われますが、その背景は簡単です。他の野党がだらしないから、この一言に尽きます」(『月刊Hanada』2016年6月号より)
革命できない革命政党は解党すべきだ
「いま共産党員で共産革命や社会主義革命を信じている人など、まず一人もいません。党員の平均年齢はおそらく60歳近い。多くが高齢者です。そんな革命政党ありますか? 杖をついて革命はできません(笑)」(『月刊Hanada』2016年6月号より)
「革命政党を作ってもう90何年になる。老舗の革命政党で革命できずに90何年といったら、いっぺん解党すべきだ」