私は日本共産党をなぜ批判するのか?

 

濱田 浩一郎(歴史学者・作家)

 

日本共産党をなぜ批判するのか?

それは、一つにはいまだに「社会主義・共産主義の社会をめざして」(綱領)いるからである。

 

戦前そして冷戦期、社会主義の国々がいかに凄まじい弾圧を民衆に行い、多大な犠牲者を出したか。ソ連のスターリン、中国の毛沢東、カンボジアのポルポトといった社会主義国の独裁者は、自国民を残虐に粛清・殺害していったことは周知のことであろう。

 

また、ソ連や共産圏の東欧諸国は経済的にも困窮していた。日本共産党が政権をとったら、日本がそのような国になるとは言わないが、社会主義国というのは、独裁恐怖政治に転化しやすいのである。よって私は、歴史の事実から見て、社会主義や共産主義政権というものに対して、根本的に疑義を抱いている。

 

日本共産党は、安倍政権を「独裁」といって批判しているが、志位和夫氏は、2000年から党の委員長を務めている。今年で19年目である。

 

もちろん、志位氏が独裁者だと言うつもりはないが、政党のトップとして、いくらなんでも在職期間が長過ぎないか。

後釜になる有能な人物がいないのであろうか。新陳代謝が悪過ぎるというのも、政党として同党の大きな欠点だ。同党は綱領で「旧ソ連の誤りは、絶対に再現させてはならない」と記しているが、ならばまずはその証明として、党員による自由な党首選挙を行い、トップを交代させてはどうだろう。

 

さて「国家権力そのものが不必要になる社会」を同党は目指しているようだが、国家や権力を悪としたり、不必要なものと見なす考えにも私は同意できない。そのような党が国益を護ることができるだろうか?

 

安全保障の分野では、同党は「憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)」を夢見ているが、弱肉強食の国際社会において、軍備の廃止は危険な行為である。このようなことを標榜する日本共産党を私はこれからも批判していく。

 

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